目隠しキューバーのひとりごと

目隠しルービックキューブをやってます

場所法による3styleの習得

3styleの長いトンネルを抜けると正しい世界であった。ソルブはoptimalになった。指も止まらなくなって来た。

    *

  川端康成『雪国』より

 

前書き

すべてのBLDerはいずれ3stylerになります。私も4回の挫折を経て5回目の挑戦で3stylerになることが出来ました。エッジは何とか脳筋学習で習得出来ましたが、コーナーは色々試行錯誤しました。
最終的に場所法を使って習得出来たので、1つの方法として参考にして頂ければ幸いです。万人に合うやり方では無いと思うので話半分で見てください。
なお、筆者の現状としては3styleで何とか3BLDの通しが行えるようになったレベルです。定着はまだまだ、手順を毎度思い出しながら回しています。

3style習得with場所法

コーナーってエッジと違って覚えにくいです。数こそ少なかれどエッジの3倍〜5倍程度労力が要るイメージです。なぜ覚えにくいかと言うと、セットアップ・コミュテータのパターンの多さに尽きるでしょう。エッジにおいては440手順の内約4割が4mover、残りも動きがイメージしやすいセットアップ・コミュテータが多いと思います。一方コーナーコミュテータは9割方RUDgenであり、
・似通っている手順が多く混同する。本当に似ているの多い。
・セットアップが理解不能。変態。
・COが3種類あるため理解し難い。
と難しい要素を挙げればキリがありません。
何度かコーナー3styleに挑戦していて、「どのコミュテータ」かを覚えられない事がネックでした。そこでコミュテータ部分に注目してコーナーを分類して見たところ、かなりいい感じに分類出来ました。またセットアップ部分もそれぞれのグループで似ている手順が多く、場所と結びつければかなり覚えやすいのではないかと思った事がこの方法を作ったきっかけです。
ダラダラと前置きしてもしょうがないので、早速やり方を説明します。

 

準備編

1.パターン分け

主にコミュテータ部分で分類。僕の使っていた手順ではこんな感じになりました。なお、(2)で作成するNoからコミュテータを復元できるように自分で工夫して作ります。

(1)インサートのパターンで大きく9つに分類(以下、グループと呼びます)

コミュテータのインサート部分でグルーピング

 

(2)インターチェンジのパターンでさらに分類

さらに分類&付番(長いので一部抜粋)

 

2.場所にパターン番号を結びつける

僕は場所を24ヶ所で1セット(以降エリアと呼びます)にして作っています。各エリアごとにおおまかに1グループずつ、1.(2)で付番したNoを場所単位に振っていきました。パターンによって1エリア(48ペア)で足りない場合は2エリア使いました。
まあ場所は皆さん捨てるほどあるでしょうから、気にせずどんどん消費しましょう。3style習得のメリットを考えれば場所の200や300使えなくなっても問題ありませんね。僕はゴーストと友達なので引き続き特に問題なく場所は使えましたが。
なおこの時点ではコミュテータパターンは数字で覚えています

各場所にパターン番号を割り振る

3.場所にレターペアを格納する

レターペアを2つずつ場所に入れるだけです。378ペアなので3×3キューブ約38個分。まあまあな記憶量にはなりますが、制限時間も無いし何度でも復習出来るので楽しく覚えられます。僕は2時間ぐらいかけて長期記憶化し、それからは今のところ一度も忘れておりません。

レターペアをつっこむ

学習編

実はこの準備が終わった時点でグループごとに整列されたレターペアが順番にRecall出来る状態ですので、あとはセットアップを覚えていくだけです。もう半分は習得出来ています。
※しかしパターン9:その他は脳筋プレイしかないです。「U Rw2 U' R' U Rw'2 D' R D U'」こんなの分類不可能でしょう。

場所を順番にたどりながらセットアップを覚えていきます。コミュテータ部分は最終的に実践で慣れれば場所ごとにコミュテータのイメージが付くので現時点では場所に紐づくNoが想起出来ればオッケーです。とりあえず何も見ずに全手順回せるようになれば勝ちです。1000回ぐらい3BLDを通せば手が覚えるでしょう。

セットアップを覚えるコツは自信で掴んで行くのが一番良いと思いますが、僕のやった方法を一例として挙げると、
・1グループをセットにして手順表を見ながら何度かまわす
・手順表を見ずに順番に辿って回す。わからないところは答えを見る
・自信がついたらhinemosで3styleクイズを回す(あらかじめグループごとにまとめておく)

これをひとまとめとして練習を進めました。大体1グループ40~50手順ぐらいで2時間ほどあればクイズが回せるようになります。

この方法の良い点は、セットアップを覚えていくだけなので移動中などスマホしか触れない時でも3style習得を進められる事です。手順をそのまま覚えていた時はせいぜい(キューブを触れない)1日のうちで2-3手順しか覚えられませんでしたが、場所法3styleでは通勤して家に帰るまでの間にキューブを触らずに50手順覚えられました。

場所が大量にあり分類が好きな方は、ぜひ場所法で3stylerになりましょう。

QA

Q1.場所がゴーストによって使用不可にならない?

場所にレターペアを置いていく事により強いゴーストになってしまうのでは無いか懸念でしたが、うまく共存しており今のところ邪魔はしてきません。むしろ場所に色がつく事でより"強い"場所になった気すらしています。人に依るかも知れません。まあ場所が200程度使えなくなったところでまた作れば良いだけです。


Q2.レターペアから配置場所の想起が出来る?

場所法3style学習では特定のレターペアから場所を思い出すことでコミュテータのパターンを判断します。普段の場所法では場所を辿る事でレターペアを思い出すため、逆順で記憶を辿ることになります。
これについては準備にそれなりに時間をかけた後にしか結果が出せなかったため僕もかなり不安でしたが、結果として問題ありませんでした。学習編でエリアごとにセットアップを覚えて行くフェーズで、かなり場所とペアの結びつきが強くなり、ほぼ瞬時に場所が想起できます。場所法すごい。リスペクト。

蛇足 今までの挫折を供養

この駄文は1人のBLDerが3stylerになるまでの軌跡です。何度も挫折しながらも最終的に3stylerへの道をどのように辿ったかをただ記すものです。目新しい手順やテクニックが登場するわけではなく、泥臭い工夫・試行錯誤の記録です。大体どのぐらいの練習で習得出来るかの目安にはなるかもしれません。気分転換にでも読んで頂けると幸いです。

1回目のチャレンジ…orozcoで挫折(10hぐらい)

2022/3 M2OP歴8ヶ月程度。バッファ移行のためまずはorozcoを練習しましたが手に馴染まず。まだM2OPすら満足していなかったため、M2OPを頑張ることにしました。

2回目のチャレンジ…脳筋コーナー玉砕(50hぐらい)

2022/4 2回目はいっそのことバッファ移行と3style習得を一気にやろうと思いorozcoを経由しない方針としました。コーナーから開始し何とか234/378まで覚えましたが、普段のBLDで使えないことがネックでした。練習のための練習という感じでマンネリ化していた事と、この時期に多分割BLDの面白さに気づいてしまったため3styleからは離れてしまいました。

3回目のチャレンジ…大会優先で断念(70hぐらい)

2022/7 M2OP歴1年程度。3BLDでsub1分が数回出た程度の実力でした。今度はorozcoで解けるようになってから各手順の習得をしました。エッジ3styleクイズが1巡なんとか回せる(分からないもの1割未満程度)ところまで行ったタイミングで大会の告知があり、5BLD最優先としたため完全に離れてしまいました。

このとき、U面系3styleだけ習得してセットアップ+3styleで妥協しようという試みも行いましたが、手順一覧を作った段階で断念。結構それなりに習得までの労力がかかる上に、結局「非optimal」なモノしか手に入れられないことがモチベを下げまくりました。

4回目のチャレンジ…仕事が忙しくなって。。(70hぐらい)

2022/9 大会が終わり落ち着いたタイミングで再開。何とかエッジ440、コーナー90まで習得するものの、仕事が忙しくなりキューブを触れない日が続き断念。

5回目のチャレンジ…習得!(100hぐらい)