目隠しキューバーのひとりごと

目隠しルービックキューブをやってます

レターペアについての考察

概要

BLD沼に足を突っ込まれた方は早かれ遅かれレターペアに対応する単語一覧を自分で作ることになります。最初は何となくその場その場で作るかと思いますが、次第に不便さを感じるようになります。私自身、3BLDを練習し始めてレターペア単語一覧を完成させて記憶したのは半年近く経ってからでした。

単語の作り方に焦点を当てた考察記事をあまり見たことがないので、自分なりの経験として書き留めます。まだ3BLDはギリギリsub1分できない中級なので参考程度にして頂ければ幸いです

 

レターペア単語一覧を作るメリット

1.想起する単語が固定出来る

アドリブで単語を作ると、当然ですが毎回想起する単語がブレます。毎回記憶に定着する良い単語なら良いのですが、なかなかそうも行きません。後述しますが、ふさわしくない(記憶しにくい)単語も出てきてしまいます。

一覧化することでこれは完全に防げ、記憶に定着しやすい単語を想起出来ます。

2.想起する時間の減少

実際やってみると分かりますが、任意のレターペアから単語を連想するのは結構時間がかかります。体感ですが早いもので1秒弱、なかなか組み合わせの悪いレターペアだと5秒ぐらいかかっても思い浮かばないものもあります。平均するとコーナー4ペア想起するだけで10秒ぐらいかかってそうですね。

自身の過去の記憶や経験から探すのではなく、単語一覧から思い出す、というプロセスになるため当然この時間は短縮されます。

最終ゴールは、分析しながらノータイムで単語が想起され記憶に定着することだと思います。私はまだ分析時は一旦音記憶し、頭で再度単語想起→定着の流れになっています。

 

単語一覧の作り方

素晴らしいことに酢酸氏のツール「hinemos」を使えば、先人達が登録している単語がサジェストとして参照出来ます。ここから自分の単語一覧を作ることも出来ます。何度も言いますが素晴らしすぎる。

BLDerによるBLDerのためのツールhinemos

 

ここからは私の考えですが、単語一覧は自分に合ったものを是非時間をかけて作るべきだと思います。当然ですが、そもそも意味や実態を知らない単語を覚えたところで、イメージとして定着しにくいものです。しかし一から378通り(コーナーのみ)もの単語一覧を埋めるのはしんどいです。私は以下のプロセスで単語一覧を埋めました。

 

1.EXCELスプレッドシートで一覧表を作成

レイアウトは自分なりにわかるように作れば何でも良いのですが、以下「hinemos」のレターペア表のレイアウトで作っておけば、そのまま一括登録出来るので便利です。登録しておけばレターペアクイズや、3styleの練習時にも活躍します。

レターペア表

 

自身が使っていないナンバリングや、バッファなど単語が必要ない部分は埋める必要がありません。私はグレーのセルにしています。

 

2.まずは埋める

まずは一通り単語を埋めます。

自分ですぐ思いつくものはそのまま登録。少し考えて出てこないものは一旦「hinemos」のサジェストを使って一通り単語一覧を埋めました。

 

3.校正する

後述する単語の選び方の方針に沿っていないものの再考、より強いイメージが出来そうな単語が無いかを一つづつ検討し、書き直していきました。

この作業は意外に時間がかかり、熱中してしまったのもあり5-6時間はかけました。

 

単語の選び方

この記事で一番伝えたかったところです。体験しながら身についたところです。

 

どんな単語が最適なのか

分析フェーズで読み取られたレターペアをどう使うのか考察すると、以下のようになります。普段こんな意識しているわけではないですが。

①【記憶】レターペアから単語を呼び出す

②【記憶】単語から毎回決まったイメージを想起して準備していた場所に配置する

③【記憶】基本的に2ペアづつ、関連付ける(「むみれし」ならムーミンがレシート貰ってる場面など)

④【実行】今回使った場所を思い出す

⑤【実行】③で記憶したオブジェクトを思い出す

⑥【実行】単語を思い出しながら、レターペアに戻す

ここで、単語選びに重要なのは②③です。①は練習次第ですぐ呼び出せる様になりますが、②「単語から決まったイメージを想起」③「関連づける」はそううまくいきません。ここに活かすための単語の選び方のポイントをまとめてみました。

特に②決まった(固定された)イメージが重要だと思います。同じ単語でも毎回別のイメージになってしまうと、定着しにくくなるばかりでなく別の単語に復元してしまうリスクもあります。

 

実態のある名詞であること

まず、形容詞や動詞についてはNGです。

・単語から決まったイメージを想起しにくい

 「薄い」「掛ける」といった単語から瞬時に決まったイメージを描くのは困難です

・活用されてしまう

 形容詞や動詞は実行時、頭のキャッシュエリアから呼び出されたときに"活用"されて返ってくる恐れがあります。「蹴れ!」と覚えたのに実行時に「蹴る」になっていることは多々あります

・似たイメージの単語が多い

 日本語の素晴らしいところですが、同じ様な意味の単語が多いです。こちらもキャッシュエリアで勝手に改ざんされてくることがあります

 

で、名詞なんですが名詞の中でも、具体的なイメージ、実態があるものが望ましいです。私は以下の優先順位としました。上の方が望ましいです。

・固有名詞、自身の知り合いの名前など

・固有名詞、一般的なもの(芸能人や国名など)

・一般名詞、それなりに専門的/マニアックなもの

・特徴のない一般名詞

・動詞、形容詞、動詞形容詞が元になる名詞

 

ざっと私の一覧を確認すると、固有名詞が7-8割ぐらい、一般名詞が2割ぐらい、やむなく形容詞をつけたのは5個だけでした。

 

一般的でないもの

上でふれていますが、一般的な名詞に比べて専門的/マニアック寄りの単語のほうが定着します。

「専門的/マニアック」という表現はちょっと違うかも。Google検索したときにヒット数が少ない方、のようなイメージです。より限定した表現的なニュアンスです。

例えば、液→液漏れ、リセット→リセマラ、四季→劇団四季 などです。

 

自身の記憶で印象深いもの

これは、上の②③が素早く出来ます。

例えば同じ国名「イタリア」「フランス」があった時、どちらかが自分が旅行したことのある国であればイメージ想起、定着は強いものになります。

 

2文字の単語について

これについては自分の中で結論が出ていません。今後方針が変わるかも

海、馬など、レターペアそのままで単語になるものが結構あります。元々はこのまま単語一覧にしていましたが、いかんせん一般的な単語が多く、イメージがブレるものが多いデメリットがありました。

例えば海の場合、海水浴のイメージだったり、海底のイメージだったり、橋の上から見た景色だったり。

そこで、イメージを固定化するために海坊主やウマ娘など、限定するような単語に変えてみたのですが、二文字の単語はそれなりに派生単語も多く、海まで思い出しているのに「(海)坊主」が出てこず、「(海)ほたる」や「(海)人」などに惑わされ、記憶フェーズに時間がかかってしまいました。

結局今はまた2文字単語に戻しています。悩んでいます。

 

レターペアから単語が見つからない時

ナンバリングによって多少はありますが、そもそも単語が極端に少ない、無いものがあります。な行、ま行、ら行に多い印象。この場合、私は以下の方針で単語を決めました。

 

「ん」、濁点、半濁点、長音、促音(小さい「っ」)を間に含める

これはそもそも最初から単語を選定する段階でアリとしていました。るつ→ルーツ、らえ→ランエボ、のような感じ。ただし、長音はレターペアに戻す時、ルーツ→るう のように母音と勘違いしてしまうリスクがあるので最低限にした方が良さそう。

 

・使用していないナンバリングで代用

私は、あかさたまら行をナンバリングに使っています。な行をま行の代用として、や行をら行の代用として、「わ」を「あ」の代用としてなど、自分の中でルールを決めておけばオッケーです。ただ、あまり多用しすぎるとレターペアに戻す際に事故が増えそうな気がするので最低限にした方がいいと思います。私はやむなく2つだけこのルールを適用しました。

せあ→セワシ、るえ→所以

 

現在のやり方

この記事は実は下書きで1ヶ月ぐらい放置してしまっており、その間に色々変化がありました。

4BLD、5BLDを始めたため、3BLDのコーナ用としての378ペアでは足りず、全組み合わせ(24×23=552)が必要になりました。不足分については特にペア表を作らず、その場で単語を作っています。

・悩んでいた二文字単語は、二文字のまま定着。何度か使っているうちにイメージがブレなくなって来ましたので、まあそのままで良いかと思いました

・単語を思いつけないものが増えました。「めむ」や「めみ」など。ま行に多いですね。それらは無理やりですが、空想のモノを勝手に作ってイメージしています。数個ならこの方法も有効な気がします

・一番大きい変化は、イメージを一つに固定せず、メインのイメージ、サブのイメージという形で複数の単語を想起するようにしました。ストーリーがうまく作れない時に、「すみ」→「隅田川のほとりで隅田さんが墨をかけられた」イメージにすることで、まず忘れません。時間はちょっと多くかかりますが